愛知環状鉄道瀬戸口駅から徒歩10分ほどにある「ベトナムデリ珈琲 瀬戸本店」。
ベトナム食品ブランドである「ベトナムデリ」が手がけるこちらのお店は、現地の味を再現した、ベトナム料理が味わえる本格カフェ。
ベトナム料理に欠かせないベトナムハムや、バインミーに使うバゲットは自社工場で手作り、パクチーや空芯菜は近郊で水耕栽培を行っているというこだわりです。ベトナム料理店というとこじんまりしたお店を想像しがちですが、こちらのお店はそんなイメージを良い意味で覆してくれます。
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交差点の角にある2階建ての建物。一見すると大型のカフェやレストランに見えますが、こちらで本格的なベトナムフードをいただくことができるのです。駐車場もなんと45台(共同)!長久手のジブリパークやIKEAからも車で15分ほどなので、家族とのお出かけにもぴったりなお店です。
1日中、気軽にベトナムフードを楽しめる空間
外観からもわかるように店内は広々とした明るい空間。「ディープな専門店ではなく、誰もが気軽に利用できるようなお店づくり」をコンセプトに設計されているそう。席の間にゆとりがあり、ボックス席もあるので子ども連れでも安心。ゆったりと時間を過ごせます。
また、オープンキッチンのスタイルになっているため、テキパキと働くベトナム人スタッフの方たちの活気がそのまま伝わってきます。今回はベトナムデリ珈琲を運営する、株式会社フードフォースの代表である森一樹さんにお話を伺いました。
– ベトナムデリ珈琲をオープンさせた経緯について教えてください。
森さん:「2015年にベトナム食品を製造販売する会社「フードフォース」を立ち上げました。その後、色々なベトナムレストランや、ベトナム食材店に食材を提供させていただくなかで、自分たちも、日本のお客様にベトナムの味を知ってもらう場所、ベトナムの食文化を広げる場所を作りたいと思い、昨年(2022年)の7月にこちらの店舗をオープンしました。」
現地で見つけた「日本人好みの味」を再現
– フードフォースの看板商品は「ベトナムハム」だと伺いました。ベトナムハムはどんな特徴があるのでしょうか?
森さん:「フードフォースは、日本で初めてベトナムハムを日本国内で製造した会社です。日本人にとってはあまり馴染みがありませんが、ベトナムの人にとってベトナムハムは日常の食事に欠かせないもの。旧正月には「これがないと年を越せない」というほど必須の食材なんです。
ベトナムハムは一般的なハムに比べて弾力があるのが特徴で、ヌクマム(魚醤)を使っているので独特の旨みも感じられます。豚肉を使ったものから、鶏肉、牛肉、豚の耳をスライスしたものなどいろいろな種類があります。」
– ベトナムハムはどんな料理に使われるのでしょうか?
森さん:「現地ではそのままスライスしたり、焼いて食べたり、細かく切ってチャーハンやサラダに入れたり、麺やおこわ(ソイ)、バインミーのトッピングにしたりとバリエーション豊富。角煮のような感じで「煮ハム」にすることもあるんですよ。」
– ベトナムデリ珈琲のお料理のこだわりはどんなところにありますか
森さん:「ベトナムに何度も足を運んでいますが、日本で食べるベトナム料理というと、日本人風にアレンジされているものか、ローカルすぎるものが多い気がしています。ですが、私たちが大切にしているのは「本格的なベトナムの味で、日本人の口にも合う料理」です。
ネットの口コミでは「日本人向けのアレンジで食べやすい」と書いてもらうこともよくあるのですが、実はそんなことはなくて(笑)、「現地で食べて日本人が美味しいと思うものを再現しているだけなんです。
ベトナムも日本と同じくお米文化で、ご飯に合うおかずもたくさんあるので、煮物や炒め物、揚げ物などのメニューもぜひ試してみてほしいです。お酒のおつまみにもいいですよ。」
– 他に、現地の味でこだわっているメニューはありますか
森さん:「バインミーのパンもベトナムのホテルのシェフ長が教えてくださったレシピを、日本のパン職人の方に作ってもらっています。現地でバインミーを食べると、外の皮が本当にパリパリで、食べていたらボロボロこぼれるくらいなんです。でも中はふわふわした食感で具材はたっぷり。こんなバインミーを再現しています。バインミーを焼き上げるオーブンも現地から輸入しているんです。
また、全てではないですがパクチーは自社で水耕栽培しています。意外かもしれませんが暑さに弱くて、この夏はパクチーがあまり収穫できず困りました。」
何度も訪れたくなる、豊富なメニューが魅力
色々なメニューを試せるランチセット
ランチはセットメニューが中心で、色々な味を楽しむことができます。フォーやブン(丸麺)などの麺類もしくはバインミーをメインに、さまざまなセットをオーダーすることが可能です。フォーは牛骨から16時間ほどかけて低温でしっかり出汁をとったスープを使っていて、あっさりしながらも深いコクが感じられます。
また、フォーに比べると馴染みの少ない「ブン」は100種類ものスープがあるといわれているくらいバリエーション豊かで、地域によって特性があるそう。ベトナムデリ珈琲でも、「ブンチュアカイ(酸味の効いたピリ辛海鮮スープ)」や「レモングラスポークと揚げ春巻きのまぜブン」など、色々なメニューが用意されています。
また、エスニックのレストランには珍しくお子様セットがあるのもパパママにとっては嬉しいところ。
練乳でほどよい甘さに!ベトナムコーヒー
店名にもなっているベトナムコーヒー。あまり知られていませんが、ベトナムはブラジルに次ぐ第二のコーヒー大国なのだそう。とはいえ、ベトナムのコーヒーは缶コーヒーなどに使われることも多く、あまり本格的なものは流通していないのが現状。
こちらのお店では、その中でも質の高いコーヒーを作っている農園から豆を仕入れ、本格的なベトナムコーヒーをいただくことができます。
この独特な器具を使っていれるコーヒーは「フィン・コーヒー」というものです。挽いた豆を中に入れて、エスプレッソのように押さえてお湯を注ぎます。抽出が終わったら、氷の入ったグラスに入れて練乳を入れて混ぜます。
練乳を入れるとものすごく甘いのではと思うかもしれませんが、コーヒーの香りや苦味とマッチしてほどよい甘さに。暑い国生まれの飲み方だけに、夏でもさっぱりいただくことができます。
デザートメニューも充実
デザートメニューも充実しているので、カフェとしての利用もOK。1番人気のメニューはベトナムスイーツの定番である「チェー」。ココナッツミルクに果物やゼリーなどをトッピングし、その上にクラッシュアイスをのせたデザートです。「ココナッツマンゴーチェー」と「ベトナムデリ珈琲チェー」の2種類があるので、これもまたどちらにしようか迷うところです。
ランチやカフェ、夜はお酒と一緒に・・・。1日中色々な楽しみ方ができるベトナムデリ珈琲。一度訪れたら、ベトナム料理の世界にハマってしまうこと間違いありません。