アメリカ『タイム』誌で「世界の最も素晴らしい場所」に選出された”名古屋”ってどんなところ?

アメリカ『タイム』誌で「世界の最も素晴らしい場所」に選出された”名古屋”ってどんなところ?

東京と大阪の中間に位置する名古屋は、経済・文化・観光など、さまざまな面で独自の発展をしています。 2023年の「アメリカ『タイム』誌では、「世界の最も素晴らしい場所」に「名古屋」が選出されるという快挙を達成!

そこで今回は、改めて名古屋独自の文化をご紹介します。

名古屋の歴史

Japan Nagoya

名古屋は、1610年に徳川家康によって築かれた名古屋城が起源とされています。名古屋城は、戦国時代の英雄・織田信長の家臣であった徳川家康が、豊臣秀吉の命令により築城しました。

徳川家康が名古屋城を築いた後、名古屋は尾張藩の中心地として繁栄。尾張藩は、江戸幕府に仕える大名として、名古屋を政治・経済の拠点として発展していきました。

織田信長、豊臣秀吉、徳川家康と、3人の天下人を輩出した戦国三英傑の地として、 ゆかりの地も数多く残されています。

明治時代以降、名古屋は産業の発展が著しく、特に繊維産業や自動車産業が盛んになりました。トヨタ自動車が名古屋に本社を置くなど、現在でも自動車産業の中心地の1つとなっています。

第二次世界大戦中、名古屋は米軍の空襲を受け、多くの町並みや歴史的建造物が被災しました。戦後の復興によって名古屋は再び発展を遂げ、現代の大都市としての姿を築いています。

名古屋のことばや文化

名古屋

名古屋の「ことば」には、上町言葉(うわまちことば)、下の言葉(しものことば)、武家言葉(ぶけことば)という3つの方言があります。「上」とは、広小路通より北の碁盤割りの町であり、「下」は広小路通の南側である大須、橘あたりを指す町と言われています。

上町言葉(うわまちことば)

上町言葉は、名古屋城やその周辺で使用されていた言葉です。江戸時代に名古屋城の城下町である「上町」で栄えたことからこの名前がついています。上町言葉は丁寧語を多用し、相手に対して敬意を示す表現が特徴的です。また、かつての武家階級が使用していたため、格式のある言葉として認知されています。

下の言葉(しものことば)

下の言葉は、名古屋城下町の中でも上町よりも一般庶民の間で広く使われていた言葉です。上町言葉よりもカジュアルで、やや乱暴な表現が含まれることがあります。名古屋弁としてよく知られる一部の言葉やイントネーションもこの下の言葉に由来しています。

武家言葉(ぶけことば)

武家言葉は、名古屋城の武士階級が使用していた言葉で、上町言葉と類似していますが、より堅苦しく格式張った表現が見られます。武家の家柄や身分を示すための言葉使いが特徴的でした。

名古屋のモノづくり

Japanese paper background material (gold fan)

トヨタ自動車を筆頭にモノづくり王国として知られている愛知県。ものづくりの歴史ははるか400年以上前にさかのぼり、陶器産業や織物産業など、伝統的な製造業もとても盛んです。

有松・鳴海絞

400年ほどの長い歴史がある「有松・鳴海絞」。愛知県名古屋市の有松・鳴海地区で生まれた絞り染めの技法です。現在でも伝統的な製法を守りながら、着物や帯、小物、インテリアグッズなどさまざまな製品が生まれています。独自の技法や美しい模様から高い評価を受けており、日本の伝統工芸品として認定されています。

名古屋友禅(なごやゆうぜん)

名古屋友禅とは、名古屋一帯の独特な技法でつくられる伝統的な染色技術である友禅染めの一つです。日常着としても気軽に着用できる実用的なデザインやピンクや紫色など、女性らしい色使いなど、現代においても伝統文化の一つとして多くの人々に支持されています。

尾張七宝焼き

江戸時代の天保年間(1830年から1844年)に、梶常吉という人がオランダ七宝から技術を学び、その技法を完成させたのがはじまりです。風景や花鳥風月などの華やかな図柄をあしらっており、仏典に言う七つの宝が散りばめられているように美しいという意味から「七宝」という名がつけられています。

名古屋扇子

名古屋は京都と並ぶ扇子の二大産地です。京都が高級な婦人物をメインとしているのに対し、名古屋扇子は、男性的な機能美を持ち慶事や儀式で存在感を発揮してきました。

ノリタケの食器

日本を代表する食器メーカーであり、世界的に有名なブランド「ノリタケ」。1884年に名古屋市にて創業され、高品質で美しい食器を提供しています。

ノリタケの食器は、洗練されたデザインと確かな品質で知られており、日本国内はもちろん、世界中で多くの人々に愛用されています。

バーミキュラ

日本の鋳物技術が誇る「バーミキュラ」。 バーミキュラの生産はすべて名古屋市内の自社工場で行っており、老舗鋳造メーカー「愛知ドビー」が手がけています。

名古屋の食文化「なごやめし」

「なごやめし」とは、 みそかつ、手羽先、ひつまぶしなど名古屋市および周辺地域で愛される地域独特のメニューです。独特の味付けが特徴であり、地元の人々だけでなく観光客からも人気を集めています。

ひつまぶし

名古屋のご当地料理の一つで、うなぎの蒲焼を細かく刻んでご飯に混ぜた郷土料理です。ひつまぶしの食べ方は、お櫃から茶碗に取り分け、一杯目はそのまま、二杯目にネギやわさびなどの薬味をのせ、三杯目にお茶もしくは出汁をかけていただきます。

みそかつ

豚カツに甘辛いみそソースをかけた料理で、「なごやめし」の代表的なご当地グルメです。ジューシーなカツと名古屋独特のみそソースの相性が絶妙です。

あんかけスパゲッティ

名古屋名物の一つで、スパゲッティに濃厚なあんかけソースをかけた料理です。ミートソースやオムライスをトッピングしたバリエーションもあり、濃厚でコクのある味わいが特徴です。

きしめん

一般的なうどんとは形が異なり、平たい形状のうどんです。ツルツルとしたのどごしのよさが魅力で地元の人に古くから親しまれています。

台湾ラーメン

台湾ラーメンは、ひき肉とにんにく、ニラや唐辛子などを炒め、醤油ラーメンに加えた辛い麺料理のこと。口に入れた瞬間、激しい辛さが襲ってきますが、何度か口に運び、慣れてくると、この刺激が癖になります。

小倉トースト

厚めにスライスした食パンをトーストした後に、マーガリンまたはバターを塗って小倉あんをのせたもの。名古屋市内の喫茶店の多く店舗でいただけます。

手羽先唐揚げ

素揚げしてから甘辛たれをぬり、ごまとこしょうで味付けしたスパイシーな味わいの「手羽先唐揚げ」。1963(昭和38)年に名古屋市熱田区で創業した「元祖手羽先唐揚 風来坊」が発祥の店であり、その後さまざまな店舗で手羽先が提供されています。

ころうどん

ころは、愛知県や岐阜県あたりで食べられている、冷たいうどんやきしめんのことです。「ぶっかけ」との違いは冷たくなく、限りなく常温に近いうどんであること。冷えすぎてないため、麺のコシとモチモチ感が両立しているのが特徴です。

名古屋人のソウルフード「赤味噌」

日本各地では、さまざまな種類の味噌がつくられていますが、名古屋にある東海地区で欠かせない存在が、赤味噌です。味噌汁はもちろん、どて煮、味噌カツ、味噌煮込みうどんなどの名物料理の他にも、おでん、素麺、鍋料理と、とにかく何にでもかんでも、赤味噌(豆味噌)を使います。

名古屋の風習

名古屋には独自の風習も古くから根付いています。数ある風習の中から5つピックアップしてご紹介します。

名古屋に根付くモーニング文化

名古屋では、喫茶店でモーニングを食べる、モーニング文化があります。喫茶店でドリンクを頼むと、無料でトーストや卵などがついてきます。中には一日中モーニングがいただけるお店もあるんです。

また、愛知県の多くの喫茶店ではモーニングだけでなく、いつでもコーヒーを注文するとナッツやビーンズ類が付きます。

日本一貯め上手の名古屋人

ケチで見栄っ張りで有名なのが名古屋人ですが、なんと平均貯蓄額は1,400万円。借金も大嫌いなため、カードを使ってまで飲むことをしません。その代わり喫茶店代に全国一お金をかけており、その額は青森県の7倍です。

ノミニケーションよりも喫茶店でのコミュニケーションを大切にしています。

名古屋飛ばし

日本国内で行われるイベントの開催が名古屋で開催されないことを示す俗語です。1980年代に歌手のマドンナやマイケル・ジャクソンの来日時など、それまで大きなイベントやコンサートで名古屋公演が実施されなかったことがきっかけとなり、「名古屋飛ばし」という言葉が広まったと言われています。

実際に名古屋って本当によく飛ばされるんです。

「方角」で場所を示す名古屋人

名古屋の人はやたらと、と「方角」で場所を示すクセがあります。人に道を聞くと大概、方角で返されますし、待ち合わせ時も、「ビルの北側だよ」「金時計の南側にいるよ」などと返されます。特に年配の方はその傾向が強い気がします。

筆者は、方向音痴なので、いつも理解ができずにいます。

No. 1が実はたくさん!

魅力のない都市と揶揄されることも多い名古屋ですが、No. 1が実はたくさんあるんです。

・販売台数世界一のトヨタ自動車
・国宝第一号「名古屋城」(1945年の空襲により焼失。)
・世界最大級のプラネタリウム「名古屋市科学館」
・展示種類数が日本一「東山動植物園」
・日本一遅くまで走る地下鉄(終点の星ヶ丘駅到着は翌1時15分まで運行)
・刀剣の保有数日本一「徳川美術館」
・日本一の製造品出荷額

今回は名古屋についてご紹介しました。
ぜひ参考にしてみてくださいね。

 

スポット詳細

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