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八事にあるギャラリー「noivoi」さんで、作家の吉田葵さんにお会いしてきました。

アート

名古屋市・天白区
2019.12.09
伊藤 里佳

伊藤 里佳

版画、ペインター

八事にあるギャラリー「noivoi」さんで、作家の吉田葵さんにお会いしてきました。

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愛知県在住・版画家の伊藤里佳です。12月3日からGallery noivoiさんで開催されている吉田葵さんの個展「こちらがわはむこうがわ」にお邪魔して、作家の吉田葵さんにお会いしてきました。

作家の吉田葵さんと娘さん。

吉田葵さんは大学時代に日本画を学び、岩絵の具を使用して、絹本着彩による絵画作品と、それにまつわるインスタレーション作品を発表している作家さんです。

Gallery noivoi

名古屋市営地下鉄 名城線・鶴舞線の「八事」駅、2番出口から徒歩2分のところに「Gallery noivoi」さんはあります。

駅から歩いてくるとこのような景色が見られると思います。入り口は駐車スペースの奥。駐車スペースには1台車が停めれます。停めれない時は近隣の駐車場をご利用ください。

noivoi

壁かと思うところに扉があります。あまりにも気づかれないので変更するか検討中だそうです。みなさん、入っていいですよ!!遠慮なく扉を開けてくださいね。

「交差するリボン」の拡大。

「交差するリボン」の拡大。

葵さんの作品は絹が層になって描かれていて、爽やかな色合いで軽やかです。ギャラリーに入った瞬間、やさしい色に包まれて穏やかな気持ちになるのを感じました。

「むこうがわのためのモビール」「むこうがわのためのカーテン」

第一子の娘さんを出産するにあたり、葵さんは2ヶ月ほど入院していた時期がありました。入院中は絵を描く気にはなれず、ただ空間を仕切るカーテンを見つめ、感じていたことや考えていたことをメモしていたのだそうです。それはそれは、不安でいっぱいだったと思います。

例えば、カーテンを見つめていると、美しく見える日もあれば、鉛の扉みたいに見える日もあり、日によって見え方が違うなぁ。絵もそうだなぁ。と、ものの見え方について考えたり……。入院中は不安もあるし別のことを考えていたいという思いもあり、元気になったらこういう絵を描きたいとか、展覧会はこういう展示にしたい、と想像していたそうです。

入院中のカーテンをイメージした作品「むこうがわのためのカーテン」

この場所にぴったりすぎて、ギャラリーのカーテンかと思ってしまったのですが、作品でした!通常とは逆にドレープを出すことでむこうがわを表現しています。下に隙間があるところが、病室のイメージです。

「むこうがわ」とはどんな場所なのかをお尋ねしてみたところ、具体的な場所とかではなく「こちらがわとむこうがわ」「私とあなた」みたいに対になっているもののイメージで、「日常と非日常」のように大きな差があったり、急に入れ替わってしまったり。アンバランスでありバランスがとれているような……。「こちらがわ」と「むこうがわ」からそのような不安定なものを感じとり、そこからやじろべえや、モビールの作品につながったのだそう。

DMでも使われている作品たち。左から、やじろべえ「こちらがわ/silver」リボンによるインスタレーション「むこうがわのための縫物」

絵は内面のアウトプット、立体は外側から捉えた自分という感覚でつくっていると語る葵さん。リボンをモチーフにした袋や巾着の作品は妊娠中の自分が袋になったようなイメージからきています。

「むこうがわのための縫物」

展示空間を他人のおうちのようなプライベートな空間にしたかったそう。

ギャラリーの上野さんに、葵さんとの出会いや魅力を聞いてみました。

葵さんとの出会いは、旦那様の鈴木雅明さんを通じて葵さんの存在を知り、個展を観に行ったことが葵さんの作品を知るきっかけになったのだそうです。そこで展示されていたリボンをモチーフに描かれていた大きな作品(728mm×728mm)がとても素敵で印象に残ったのだそうです。

こちらがその時の作品「circle table」

一緒に展示されていた他の小さい作品の中にも葵さんの世界観がつまっていると感じたそう。

そして、日本画という枠からインスタレーションや、絹を層にして絵を描くという新たな表現に向かったのはどうしてだろう。という好奇心を持ったことや、岩絵具の発色がキレイでそれで自分を表現しているということが新鮮にうつった。とお話してくださいました。

上野さんは他にも葵さんの魅力を語ってくださいました。「リボンやワイヤーをモチーフに扱うという繊細な部分がありながらダイナミックに、多彩な表現力で作品を制作しているところが魅力で、彼女の作品や、世界観が好きです。」「葵さんの包み込むようなやさしい表現と、伝えたい主張や強い想いのギャップが素敵です。」

そして、「お母さんになって、これからの吉田葵さんが楽しみです。」とのコメントもいただきました。

上野さんからみて、入院、出産を経験して葵さんのものをみる視点が変わってきているのかなぁ。と感じているそうです。“ファミリー”というものが中心になってきていたり……。なのでお母さん世代の方にもぜひ観ていただきたい。ということです。

葵さんは「お母さんってどうしても子供や家のことを中心にして自分のことを犠牲にしてしまいがちだけど、自分のやりたいことをやってこそ余裕を持って子育てもできるかな、と思っている。」と話してくれました。葵さんにとって、制作が日常です。

「カーテン」の拡大部分

交差するドレープがうつくしい作品「カーテン」

今回の取材で、やりたいことを、どんどんやっていきたい!という想いや、メッセージを伝えていきたい!とお話してくれた葵さん。ギャラリーの上野さんとの素敵な関係も見せていただき、幸せな時間でした。娘さんとのやりとりや生活の中で葵さんの作品がどう変化していくのか楽しみです。

葵さんの強い想いは決して押しつけがましくなく、優しく受け止めて寄り添ってくれるような作品たち。そんな葵さんの作品に逢いに、今の葵さんが感じ取ったもの、形にしたものを体感しにきてください。

ギャラリー外観。室内の足が見えています。

「こちらがわはむこうがわ」
 吉田葵(Aoi Yoshida)

昨年、出産の際2ヶ月ほど入院した期間がありました。一枚のカーテンで仕切られた小さな空間では、一日中このカーテンを見つめるしかなく、自分が制作で布を使ってきたということもあり、一枚の布が作り出した境について考える機会になりました。

この境は、安堵感と緊張感の両方を作り出していました。
今回の展示では今まで私が制作してきた薄い絵絹を重ねた絵画作品と、カーテンの生地を使った立体作品を展示します。日々の暮らしの中、突然自分が想像し得なかった出来事が起こる可能性はだれにでもあります。

こちらがわはむこうがわ。
日常に戻った今も自分のむこうがわにあることを感じとりながら作りました。

吉田葵

1979年 三重県生まれ
2004年 名古屋造形芸術大学 造形学部美術学科日本画コース 卒業
2006年 名古屋造形芸術大学大学院 造形研究科造形専攻 造形表現制作 修了

2010~2012年 GALLERY GOHON project 運営メンバーとして参加
2013年 きろく00(名古屋市市政資料館)
2015年 吉田葵 展(garage/豊橋)
2015年 切る、折る、結ぶ(ギャラリ想/名古屋)
2017年 loop(Gallery noivoi/名古屋)
2018年 in line with(gareco/名古屋)

絹本着彩による絵画作品とそれにまつわるインスタレーション作品を発表。
http://www.aoiyoshida.com

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052-836-2058
mail@noivoi.com

〒468-0062
名古屋市天白区弥生が岡107-1
名古屋市営地下鉄 名城線・鶴舞線(八事駅 2番出口より徒歩3分)

伊藤 里佳

伊藤 里佳

版画、ペインター

版画で作品を制作しながら、イラスト、デザイン、講師のお仕事をしています。好きな美術館は、豊田市美術館とルイジアナ美術館。愛知県在住。

Instagram:@ito_licca

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