まるで色の博物館!天王洲アイルの伝統画材ラボ「PIGMENT(ピグモン)」
目次
天然の接着剤「膠(にかわ)」
続いてご紹介するのは、膠(にかわ)です。
膠は動物の皮を煮出してつくられる天然の接着剤。合成接着剤がでる前の主流の接着剤だったそう。画材としては、先ほどご紹介した顔料と混ぜて自分好みの絵の具をつくることが可能。また固形の墨には必ず膠が使われています。接着することも剥がすこともできる。そのふたつの条件を唯一満たしているのが、膠なのだそう。
職人が手作りした膠。量り売りで購入することが可能です。ここでしか手に入らないオリジナルの膠も並びます。
フリーズドライ膠(非売品)
墨を使う上で欠かせない硯(すずり)
硯は墨を使う上で欠かせない存在。墨がよくても、硯が悪くては本来の色調を引き出せないほど、重要な道具です。
PIGMENTでは、中国の古硯(こけん)を中心にコレクションしています。硯が誕生した当時、字を書くことができるのは一部の特権階級の人たちだけ。字を書く道具を持っていること自体がステータスだったのです。そうした背景から、硯は道具としてだけでなく、装飾品としての意味合いもあります。
一番左のものは、水を入れることで池のようなデザインに。このように文字を書くだけでなく、インテリアとしての楽しみ方もあります。
博物館のようにガラスケースで展示されているのが印象的でした。
海外からの人気の高い「筆、刷毛」
海外からのお客様から特に人気なのが、筆と刷毛。
PIGMENTでは、京都の老舗メーカー「中里」の筆を中心に、「名村大成堂」や「清晨堂」を含め約600種類を扱い、羊毛、イタチ毛、馬毛、鹿毛、ナイロン毛などさまざまな種類があります。西洋では1種類の毛でつくられるのが一般的ですが、日本と中国は複数の毛を混ぜてつくるのだそう。海外の筆とは違った表現ができると、お土産にされる方も多いのだとか。
描画用筆から、裏打や表具用に用いられる刷毛、孔雀や白鷺の羽で作られた特殊な筆まで、幅広いラインナップです。どういったものを描きたいのか相談すると、専門知識が豊富な画材のエキスパートからおすすめを教えていただけますよ。
そしてPIGMENTのうれしいポイントが、試し書きができること。筆や刷毛は実際に試してみないと、思った通りの書き味かどうかわかりませんよね。(一部試せないものもあります)