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地下鉄名城線「名古屋大学」駅から徒歩約10分。静かな住宅街の一角にある古民家が印象的な「薬草labo.棘」。2011年4月にオープンし、野菜を中心としたオーガニックな料理が楽しめるカフェと、心癒されるアロマトリートメントを提案しています。
「ゆらゆらに、そっと寄り添って、いつの間にチクっと動かす優しい棘」を軸に、植物と人の手が持つ力を大切に、心と身体をトータルで整えてくれる場所です。
“植物の力は無限”。
元看護師の店主がお店をオープン
やわらかで自然体な雰囲気が素敵な店主の原田美輪さん。「薬草labo.棘」をオープンしたきっかけやお店の魅力など伺いました。
ー お店を立ち上げたきっかけを教えてください。
原田さん:「以前は、看護師として病棟や在宅、心療内科で勤務をしていました。色んな方を診ているうちに、健康とは何かと考えるようになってきました。アロマの勉強をはじめ、長野県穂高にある、自然治癒力を高めることを目的とした宿泊施設“ホリスティックリトリート 穂高養生園”さんに出会い、看護師を辞め、ここでアロマとハーブ、食について学びながら仕事に就きました。」
ー その場所で、アロマやハーブについて深い知識を得られたのですね。
原田さん:「そうですね。植物の持つ力について学んでいく中で、地元・名古屋市でもこんな場所ができたらいいなと思っていました。3年ほど経った時、友人からこの古民家を紹介していただきました。すごく素敵な場所で、ここでなら自分が得意としているアロマサロンのお店ができるのではと考え、2011年4月にオープンをしました。
当時、食まで提案できるとは思っていなかったのですが、マクロビに出会い、心も身体もトータルで提案できればと思い、カフェスペースも誕生しました。今ではカフェもアロマも、同じように好評いただいています。」
ー 食に対するこだわりを教えてください。
原田さん:「ここでは、できる限り近郊で採れた無農薬・有機野菜を使った野菜を中心としたオーガニックメニューを提案しています。調味料や出汁など動物性のものを使わずに、素材本来が持つ味わいを大切に調理をしています。肉や魚がいけないということではなく、ここでは野菜だけの料理を存分に楽しんで欲しいという思いでつくっています。」
ー原田さんにとって、アロマトリートメントの魅力とは?
原田さん:「店内の2階にアロマトリートメントの施術を受けることができるサロンがあります。私が施術を行っており、さまざまなアロマの中から数種類を選び、トリートメントを行います。植物の力をダイレクトに感じるアロマは、脳からの香り、伝わる手の感触などで、身体のいろんなところにアプローチをかけながら、人間が本来持っている自然治癒の力を引き出します。アロマの素晴らしさをここで体感していただきたいです。」
ー 今後の展望について教えてください。
原田さん:「名古屋という都市の中にあるお店だからこそ、持久的な面も含めて、私自身が地に根ざした暮らしを意識しながら、あり続けることが大事なことだと思っています。名古屋でもホッとできる場所があると言ってくださる方が多く、とても嬉しく、だからこそ、それに応えていきたい気持ちもあります。心や身体が整う場所として、今後もお客様に心地よく利用していただきたいと思っています。」
ホッと心和む古民家の店内
ガラガラと引き戸を開けると、懐かしい香りと心地よさが広がる「薬草labo.棘」の店内。古民家ならではの、味わいのある建具や家具などもあり、じっくりと眺めたくなるような佇まいに癒されます。
店内に足を運ぶと、ゆったりと寛ぐことができるテーブル席が。一人で読書を楽しんだり、友達とおしゃべりをしながらランチやティータイム楽しむのも良いでしょう。
そして大きな窓からは、緑豊かな中庭を眺めることも。取材した暑い夏の日でも、店内から中庭を見るだけで涼しさを感じることができました。「秋になると紅葉を眺めることもできます」と原田さんが話してくれました。
経年美を感じさせる、味わい深い椅子やテーブルも魅力的。どこに座ろうか悩んでしまうほど、居心地の良さも抜群です。
店内には、昔ながらの懐かしい棚や家具などセンス良く配置されています。
照明や小物使いも、店主・原田さんのセンスがキラリ。落ち着いた雰囲気をつくりあげてくれるガラスの照明は、ほどよい明るさを空間全体に演出してくれます。
店内の至る所に、素敵な小物やドライフラワーなども飾ってあり、非日常感を体感することができます。