目次
「やっとかめ文化祭」を知っていますか?今年で開催6年目を迎える、名古屋の伝統的な芸能や文化、歴史に触れることができる祭典です。今回は、10月31日に開催された「まち歩きなごや」に参加してみました。堀川・納屋橋~円頓寺周辺の歴史を、ガイドの飯田幸恵さんに案内していただきました。
笑顔が素敵な、那古野下町衆メンバーの飯田幸恵さん。やっとかめ文化祭のガイドは4年目とのこと。
※那古野下町衆(なごやしたまちしゅう):円頓寺商店街・円頓寺本町商店街とその界隈でまちづくりを進める団体
スタートは納屋橋
まずは納屋橋からスタート。1610年にかけられたといわれる堀川七橋の1つで、名古屋市の都市景観重要建築物として指定されています。
橋が鉄骨製に改修された、1913年5月5日には橋の渡り初めが行われました。渡り初めには、3世代の家族が揃っていた「納屋橋饅頭」と「長命うどん」の2家族が選ばれたのだとか。5万人以上の見物客に見守られて、橋を渡る姿が映った写真を見せていただきました。
中央のバルコニー部分には、十字のマークがあります。これは堀川を開削した福島正則の家紋、中貫十文字なのだそう。ふだん何気なく渡る橋にも、歴史が刻まれていることに気づかされます。
堀川七橋:堀川ができた頃にかけられた橋で、上流から五条橋・中橋・伝馬橋・納屋橋・日置橋・古渡橋尾頭橋のことを指します。
旧加藤商会
こちらは、加藤勝太郎という貿易商により社屋として建てられた、旧加藤商会の建物です。国の登録有形文化財として指定されています。
元はレンガ造りでつくられた建物だったそうですが、昭和6年に、現在の鉄筋コンクリート造りに建て直されたのだとか。外壁はテラコッタと、コンクリ-ト部分にはレリーフ模様が施され、レトロなムードが漂います。
現在はタイ料理屋の「サイアムガーデン」の店舗として使用されているため、店内で食事を楽しむことができます。地下1階には、堀川の情報を収集し発信している「堀川ギャラリー」も併設。
花車神明社
納屋橋から5分ほど歩き「花車神明社」へ。毎年10月第2土曜日には、3輌の山車が曳きまわされる「花車神明社例大祭」が開催されます。
境内には、樹齢約800年の椋(むく)の大木があり、参拝者はその木に触れてお願いごとをするそう。現在は枯れてしまっていますが、木に触れることで、清々しい気持ちになりました。
大乗山光明寺
花車神明社から50mほど歩いて「大乗山光明寺」へ。こちらの境内には、全国的に見ても珍しいといわれる、千石船に乗ったお地蔵さんや、1枚の石に掘られた三十三観音像があります。ほかにも、たくさんのお地蔵さんが置かれています。また、名古屋市の有形文化財となっている、たたみ半畳ほどの刺繍涅槃図を所有されています。