【後編】やきものの魅力にたっぷり触れる体感型ミュージアム「INAXライブミュージアム」
目次
近代建築とやきもの関係を学べる
「建築陶器のはじまり館」
「陶楽工房」の前にあるのは「建築陶器のはじまり館」。
1923年(大正12年)の関東大震災以降、煉瓦造から鉄筋コンクリート造へと変わっていきます。大正から昭和初期、「建築陶器」と呼ばれる、やきもの製のタイルとテラコッタで建物は飾られました。ここでは、日本を代表する、芸術性の高いテラコッタ・コレクションが紹介されています。
その中でも、20世紀建築界の巨匠、フランク・ロイド・ライトの代表作の一つとして知られる「帝国ホテル旧本館(ライト館)」は、日本における鉄筋コンクリート造建築と建築陶器による装飾の時代のさきがけとなりました。帝国ホテル旧本館は、常滑で焼かれたタイルとテラコッタで装飾されました。
館内では、「帝国ホテル旧本館」の食堂の柱を中心に9物件のテラコッタが紹介されています。
帝国ホテル中央玄関は愛知県犬山にある「博物館明治村」でみることができますよ。
帝国ホテル旧本館(ライト館)の柱
京都府立図書館のテラコッタ
「テラコッタパーク」
「建築陶器のはじまり館」の裏側にあるのは、13物件のテラコッタを当時の建築写真とともに展示している「テラコッタパーク」。テラコッタは自然光の中で見てこそ、本来の表情をみせてくれるという想いから、屋外での展示をはじめたのだそう。
構造体を保護する機能性と装飾性を合わせたテラコッタは多く広まりましたが、コストや耐震などの視点から徐々に数を減らしていきました。テラコッタパークでは、現在ではなかなか見ることができなくなった貴重なテラコッタを見ることができますよ。
大阪ビル1号館にあった愛嬌のある鬼や動物の顔のテラコッタ(村野藤吾作)
大谷仏教会館のテラコッタ
「横浜松坂屋本館」のテラコッタ。
緑豊かな広場は、休憩スペースとしても良さそう。フォトスポットとしても人気ですよ!
「窯のある広場・資料館」
「世界のタイル博物館」の方向に歩いていると見えてくるのは、「窯のある広場・資料館」です。
実際のトンネル窯の全長は80m。そのうち16mが移築されました。
広場の一角には、1972〜2005年まで実際に使用されていた「トンネル窯」の一部が展示されています。
「トンネル窯」は、連続焼成タイプの窯で、均質な製品を量産できることから、昭和40年代からはじまったビル建築におけるタイルの普及に貢献しました。現在では、多品種少量生産の時代になり、こうした窯は減っているのだそう。
最後はミュージアムショップでお買い物!
最後は「世界のタイル博物館」にある、ミュージアムショップに立ち寄ってみましょう。オリジナルアイテムをはじめ、タイルを使ったアイテム、常滑出身の作家さんの作品などが販売されています。
ガラスペーパーウェイト(和製マジョリカタイル柄) 各¥1,850(税別)
クレイペグマグカップ ¥1,000(税別)
光るどろだんご ¥1,000(税別)
タイルソープ ¥1,500(税別)
※ショップ商品はオンラインショップでも購入できます。
LIXIL公式オンラインショップ
https://www.care-goods.lixil-online.com/house/ilm/
今回は、前編・後編と2回にわたって、「INAXライブミュージアム」の魅力をご紹介してきました。
やきものの街・常滑ならではの文化や伝統に触れながら、6つの施設を思う存分楽しめるINAXライブミュージアム。季節によってさまざまな展示やワークショップも開催されているので、何度訪れても楽しめますよ。家族でやきものについて、楽しみながら学んでみてくださいね。
▼前編の記事はこちら