レトロでかわいい!INAXライブミュージアムにて「和製マジョリカタイル」展が開催中

2019.2.15
和製マジョリカタイル

愛知県常滑市にある「INAX ライブミュージアム」にて開催されている、企画展『和製マジョリカタイル―憧れの連鎖』に行って来ました。

 

「和製マジョリカタイル」とは、主に大正初めから昭和10年代頃に日本で生産された多彩色レリーフタイルのこと。懐かしく可愛げのある「和製マジョリカタイル」の魅力をたっぷりとレポートしていきます。

 

INAX ライブミュージアム
「窯のある広場・資料館」は保全工事のため一時休館中

 

土・どろんこ館
「土・どろんこ館」

 

本展が開催されているのは、株式会社 LIXIL が運営する、土とやきものの魅力を伝える文化施設「INAX ライブミュージアム」。その中の「土・どろんこ館」の企画展示室にて開催されています。

 

 

 

「和製マジョリカタイル」とは

 

マジョリカタイル展

 

GENETO展示デザインを手がけたのは、京都と東京に拠点をおく建築設計事務所「GENETO」。

 

はじめに少しだけ「和製マジョリカタイル」についてご紹介します。

 

「和製マジョリカタイル」は、主に大正初めから昭和10年代頃に日本で生産された多彩色レリーフタイルで、近代イギリス製の「ヴィクトリアンタイル」を模倣(もほう)してつくられたものです。1800年代半ばにイギリスで売り出された、ヴィクトリアンタイルの中でも華やかな発色と艶が美しいタイルは、イタリアなどのマヨルカ焼の流れをくむ多彩色表現という意味で「マジョリカタイル」と名付けられ、日本でもその呼び名で広まりました。

 

本展は、「和製マジョリカタイルの魅力」「ヴィクトリアンタイルへの憧れから始まった」「和製マジョリカタイルの誕生」「世界へ羽ばたいたマジョリカタイル」の4つのコーナーで構成されています。

 

 

 

「和製マジョリカタイルの魅力」

 

和製マジョリカタイルの魅力

 

会場に入ってすぐの場所では、「和製マジョリカタイルの魅力」と題し、現役で輝くマジョリカタイルの館「船岡温泉」「さらさ西陣」などが紹介されています。

 

 

こちらは、各地の近代建築・近代化遺産を巡る旅をしている岡崎紀子(おかざきみちこ)さんのコレクション。「和製マジョリカタイル」は、私たちの身近な場所でも目にできることがわかります。展覧会図録には、建物の住所が記載されているので、実際にタイルを見にいくこともできますよ。

 

蝶の形の珍しいマジョリカタイル
蝶の形の珍しいマジョリカタイル(加藤郁美蔵)

 

マジョリカタイルが描かれたタイルパネル
マジョリカタイルが描かれたタイルパネル(株式会社Danto Tile蔵)

 

 

 

「ヴィクトリアンタイルへの憧れから始まった」

 

ヴィクトリアンタイル

 

こちらのコーナーでは、「ヴィクトリアンタイル」の紹介がされています。

 

「和製マジョリカタイル」の源流は、イギリスのヴィクトリア時代につくられた「ヴィクトリアンタイル」にあります。1849年に陶磁器メーカーである「ミントン」によって華やかな発色と艶を特徴とする釉薬(ゆうやく)が開発され、多彩色タイルがつくられるようになりました。当初ミントン社での呼称は「マジョリカ」ではありませんでしたが、1880年代には「マジョリカ」と呼ぶように統一されています。

 

ヴィクトリアンタイル


「ヴィクトリアンタイルへの憧れから始まった」というタイトルの通り、ヴィクトリアンタイルのデザインを模倣したタイルが日本でもつくられます。会場内にも、写真右下のデザインにそっくりなタイルが展示されているので、ぜひ探してみてくださいね。

 

 

 

「和製マジョリカタイルの誕生」

 

和製マジョリカタイル


明治時代になり洋風建築が日本に入ってくるようになると、「輸入タイルと同じものをつくってほしい」という需要が生まれます。当時の輸入タイルの中心はヴィクトリアンタイル。日本の内装タイルメーカーは、試行錯誤しながらヴィクトリアンタイルを模倣しながら同等レベルの製品をつくりあげます。そして、単に模倣するのではなく、さまざまなアレンジを加えたバラエティ豊かな「和製マジョリカタイル」が続々と誕生していきます。

 

「タチアオイ」柄タイル


例えば、写真左の「タチアオイ」柄タイルは、ヴィクトリアンタイルのレリーフを模倣しながら釉薬の色を変化させることで、豊かな表情を生み出しています。

 

写真右は現代のタイル製造技術で復元したもの。INAX ライブミュージアム内にある「ものづくり工房」でつくられました。同じ柄でも、色が変化するだけでこんなにもイメージが変わるんですね。そしてなんと、こちらの復元タイルは購入することもできます。(展示品20点限定。¥3,500(税別))

 

 

 

「世界へ羽ばたいたマジョリカタイル」

 

マジョリカタイル

 

当時のカタログ当時のカタログ。日本語の表記はなく、タイルの多くが海外へ輸出されていたことがわかります。


大正9年(1920)、不二見焼製のタイルが上海へ出荷され、日本からのタイル輸出の先駆けとなりました。第一次世界大戦後の反動不況のさなか国内での需要が減少し、タイル業界は輸出へと力を入れはじめます。和製マジョリカタイルの輸出は昭和6〜7年(1931〜1932)頃に最盛期を迎えます。輸出地は中国・台湾・東南アジア・インド・中南米・オーストラリア・アフリカなど多岐にわたりました。

 

台湾のタイル


1895年から1945年までの50年間、日本の統治下にあった台湾。台湾では、豊かさの象徴として、住宅の屋根や玄関周りなど外からよく見える場所に高価なタイルを張るようになりました。台湾の文化の一部になったのだそう。そうした背景から、2016年には、1,500点もの和製マジョリカタイルを展示する「台灣花磚博物館」も誕生しました。

 

その他にも、アフリカ、インドなど世界でのマジョリカタイルの歴史が紹介されています。マジョリカタイルは世界中で愛されているタイルだということがわかりました。

 

 

 

マジョリカタイルの回廊

 

和製マジョリカタイル

 

マジョリカタイルの回廊


今回の企画展のみどころは、こちらの「マジョリカタイルの回廊」。

 

和製マジョリカタイルが製造されていた時代は、主に大正から昭和初期頃までですが、その時代のタイルのデザインをモチーフとして「懐かしくも新しい」タイルの空間が再現されています。当時のタイルを再現するため、プリントも均一に並べるのではなく、目地をずらしたり、サイズを微妙に変化させることで、手仕事の雰囲気が演出されているんです。

 

マジョリカタイルの回廊


回廊の壁には、プリントに紛れて本物のマジョリカタイルが埋め込まれています。宝探しのような体験型の展示スペースです。ぜひ、実際に触れて、本物のタイルの質感を体感してみてくださいね。

 

マジョリカタイルの回廊

 

マジョリカタイルの回廊

 

 

これだけフォトジェニックな空間だと写真が撮りたくなりますよね。

 

こちらの企画展を含む「INAX ライブミュージアム」内は、撮影がOKです!SNS投稿キャンペーンも実施されているので、ぜひチェックしてみてください。「マジョリカタイルシール」がもらえます。

 

 

「マジョリカタイル」の歴史から魅力まで、たっぷりと知ることができる企画展でした。ていねいに解説も記載されているので、「タイルは詳しくない……。」という方も楽しめると思いますよ。企画展「和製マジョリカタイル―憧れの連鎖」は、2019年4月9日まで開催されています。ぜひ足を運んでみてくださいね。

 

企画展 「和製マジョリカタイル―憧れの連鎖」
Japan-made Majolica Tiles―Trail of Inspiration


【 会 期 】2018 年 11 月 3 日(土・祝)~2019 年 4 月 9 日(火)
【 会 場 】INAX ライブミュージアム「土・どろんこ館」 企画展示室
〒479-8586 愛知県常滑市奥栄町 1-130
TEL:0569‐34‐8282 FAX:0569‐34‐8283
【休館日】水曜日(祝日の場合は開館)
【観覧料】共通入館料にて観覧可(一般:600 円、高・大学生:400 円、小・中学生:200 円)
【主 催】INAX ライブミュージアム企画委員会
【協 力】株式会社 Danto Tile、台湾花磚博物館、コンフォルト(建築資料研究社)
【展示デザイン】GENETO

http://www.livingculture.lixil/topics/ilm/clayworks/exhibition/japan-made-majolicatiles/