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「カブトビール」というビールをご存知ですか?ジブリ映画『風立ちぬ』にはカブトビールの看板が登場し、話題になりました。
カブトビールは半田市で、およそ半世紀の間だけ生産され、”幻のビール”と呼ばれています。今回はご紹介するのは、そんな幻のカブトビールを生産していた醸造所「半田赤レンガ建物」です。これまでは年に数回だけの一般公開でしたが、2015年に観光施設としてリニューアルしました。カブトビールと建物の歴史から、生カブトビールが味わえる「カフェ ブリック」までたっぷりとご紹介していきます。
幻の「カブトビール」とは
カブトビールは愛知県半田市で、1889年から1943年のおよそ半世紀の間だけ生産され、幻のビールとも呼ばれています。明治時代のはじめは、サッポロ・キリン・エビス・アサヒなど名だたるビールが誕生。そんな中、カブトビールは大手4大ビールメーカーに迫る勢いで普及し、1900年に開かれたパリ万博に金賞に輝きました。
残念ながら太平洋戦争によって工場は閉鎖に追い込まれ、カブトビールの製造は終了。幻のビールとなったカブトビールですが、復刻したいという熱い想いをもつ地元の方々が中心になって、長い年月を経て復刻されました。
明治建築界の巨匠が設計した「半田赤レンガ建物」
半田赤レンガ建物は、明治31(1898)年にカブトビールの製造工場として誕生しました。設計を手がけたのは、建築界の巨匠・妻木頼黄(つまきよりなか)氏。横浜赤レンガ倉庫や日本橋(装飾部)も彼の設計によるものです。
ビール工場は、安定した温度や湿度を必要とします。それを実現するための、現在ではほとんど例を見ない、中空構造を持つ複壁や多重アーチ床など、極めて特徴的な構造が特色。現在では、国の登録有形文化財にも登録されています。
建物へ入ると、右側に展示室・ショップ、左側にカフェがあります。展示室以外は無料で立ち寄ることができますよ。
受付を済ませ、さっそく展示室を見学してみましょう!