平成最後の春、白鳥庭園が『異界庭園』に大変身!|熱田

2019.3.27
さる

異界

 

白鳥庭園

 

名古屋市熱田区にある東海地区最大級の広さを誇る「白鳥庭園」。3月23日(土)から3月31日(日)までは、現代アート作品が展示されたアートイベント『ゴエンナーレ』が開催されています。開催中は、『異界庭園』と銘打たれ、一風変わったアートの展示や、雅楽演奏・朗読などの催しが行われ、日本の感性を今一度意識するアートイベントとなっています。

 

今回は、ゴエンナーレの見どころ、白鳥庭園の魅力を合わせてご紹介してきます。

 

 

東海地区最大級の広さを誇る「白鳥庭園」

 

庭園

 

最初に、今回の会場となった白鳥庭園の説明をいたします。

 

白鳥庭園は、中部地方最大級の規模を誇る日本庭園。園内では、名古屋駅からそれほど遠くないのにも関わらず、うつくしい緑や花木を楽しめます。庭園のモチーフとなっているのは中部地方の地形。岐阜と長野にまたがる御嶽山を築山にし、そこから湧き出た水が滝になり、木曽川・長良川・揖斐川の木曽三川、そして最後は伊勢湾に見立て、源流から大海までの『水の物語』をテーマにした市内随一の規模を誇る日本庭園です。

 

 

ご縁でつながるゴエンアート

 

異界庭園

 

白鳥白鳥庭園があるのは、地下鉄名城線『神宮西』駅下車。4番出口より徒歩10分の場所です。


ゴエンナーレとは、愛知県内を中心に美術館やギャラリーとは違う場で出会うアートイベント。ゴエンナーレでは人とアートが交歓する場をつくり、記憶に残る豊かな時間を演出しています。

 

自然という素材で構成された究極の人工美「日本庭園」と「アート」のコラボレーションで、日本の文化を培ってきたであろう「もののあわれ」「見えないものへの畏敬の念」など日本の感性を今一度意識するアートイベントとなっています。

 


それではさっそく行きましょう!

 

石の魔物


正門を入って最初に見つけたのが、鈴木優作さんの作品『stone man』。異界庭園に散らばる生きた関守。石の魔物のイメージを陶器で現しているのだとか。

 

石の魔物

 

石の魔物


他の場所にも、石の魔物がいました。訪れるまでは異界庭園とはどういうものかが想像できませんでしたが、中に入って納得!これは、いつも白鳥庭園とは全く違います!おもしろい予感がしてきました。

 

 

松の木

 

松の木

 

続いて目に入ったのが松の木に吊るされた松ぼっくりとヒンメリ。2015年より、 庭師を中心に愛知県名古屋市にて活動している造景集団「某(なにがし)」の作品『木霊』。植物を中心とした有機的素材を使用し、ひとつの景色をつくる事を主軸に置き、自然が生み出す四季やフォルムで遊びや驚きを感じられる空間表現されています。

 

 

 

 

 

近づくと吸い込まれそうです。なんだか妖怪のようにも思えてきました。

 

松の木をたどっていくと、なにやら中心で放射されるかのような装飾が!庭園内にある植物の素材を使用して、異界を表現されています。まさに、植物を熟知した庭師であるからこそできる造景です。


白鳥庭園

 

作品は自然に溶け込み突然現れます。左にトゲトゲしたものが飛び出ているのが見えます。これも作品でしょうか?

 

作品B『丈比べ』

 

近づいてみると、やはりアート作品の一つでした。西山弘洋さんは「“無いもの”のために場所を作る」をテーマに制作されています。物事には多彩な視点があるというコンセプトのもと、白鳥庭園内に、仮の場所を与えることで、少しの違和感を含んだ現実になり、鑑賞者にとっては不確かな体験を演出しています。


西山弘洋作品B『丈比べ』

 

アート作品がどこかに隠れてるかもという視点を持っていなければ、あまりに自然すぎて通りすぎてしまいそうです。ですが、アートがどこかにあるかも?というアンテナを張っているからこそ、通り過ぎてしまいそうな場所に視点を置き、変化に気づくことができたのかもしれません。

 

渓谷

 

続いては、石段を登って、庭園の南西にある滝へ行ってみました。ここは、築山を御嶽山に見立てて、そこを源流とする流れを木曽川とし、 水が遠のく御嶽山の麓を流れて寝覚の床の渓谷へと下っていく風景を描写しています。

 

まさか、こんな立派な滝が庭園内にあるとは知りませんでした。


滝 ガラス

 

滝に近づくと、不思議なガラスが展示されていました。

 

滝

 

よく見ると他の場所にもあります。

 

 

 


ガラス工芸作家やまもとあかねさんの作品『”みるということ”』。異なった時間を生きる者たちの宇宙である庭園=地球。その景色を眺める人間もまた、異なる時間を生きている。それらが、一堂に会するとき、空から、岩から、樹木や水から、そしてガラスから、人としての「何」がみられているのか。「見ているつもりが」が実は「見られている」。そんな異界をガラスで表現されています。

 

小口志保 作品『ことば・越境』

 

楽譜

 

今度は突然、譜面とヘッドフェンが現れました。森の中に譜面が立っているだけでもう不思議です。

 

ちょっと怖い気もしましたが、聞いてみることに。なんだか言葉遊びのような、独特な日本語が聞こえてきました。川を見ながら聞くとなんとも独特な世界に感じます。


アート

 

歩いていると、自然に溶け込むようにアート作品が展示されているのが不思議ですが、違和感はありません。

 

ミツマタ

 

ミツマタもきれいに咲いています。もうすっかり春ですね。白鳥庭園は一年を通じて多くの花が咲き、紅葉や雪吊りといった、四季折々の風情を感じることができます。

 

さる?

 

木の鳥居の影になにやら朱色お物体が吊り下がっています。今度はなんでしょうか?!

 

おそるおそる寄ってみると……。

 

さるどーん!さささる?これは猿でしょうか?笑

 

こちらの作品は、宮本宗さんの作品で、タイトルもまさに『猿?』でした。山には、至るところに神域があり、それを鎮守する神や主は、さまざまな動物や人間の姿で現れる。この作品は、築山を霊峰として、現世から異界へ入っていく場所ととらえて、作品で表現されています。

 

異界庭園おもしろすぎます!

 

タイル

 

タイル

 

川を覗くと今度はタイルのようなものが展示されています。田中里奈さんの作品で『記憶の調べ』。日常の景色や旅先での風景の記憶を断片的な記録として、陶板に描き、水の中で展示しています。人の記憶の循環と水の流れを川の流れに重ね合わせています。

 

 

アート

 

庭園内を歩いてるだけもでとても楽しいです!

 

 

 

庭園内は、シダレザクラが見頃を迎え、うつくしく咲き誇っていました。歩きながら、桜を見られるのはとてもぜいたくな気分です。

 

おすすめの場所は、游賓亭からのシダレザクラです。

 


池の中にもアート作品が展示されていました。

 

 

こちらはやきものを素材として造形作品を制作してる安藤祐輝さんの作品。複雑に動かされた形は安藤さん自身の思考そのものなのだそう。

 

桜

 

最後にご紹介する作品は、加藤秀一さんの作品『泉花』。朽ちて伐採される予定だった桜の木に再び「生」を与えいます。その舞台として、白鳥庭園を選び、池を泉に見立て、水のシダレザクラを咲かせています。


桜

 

庭園×アートがこんなにもおもしろいとは思いませんでした。名古屋市内でももっとアートイベントが盛んに行われ、アートが身近なものになってほしいものです。

 

今回ご紹介した作品はほんの一部です。庭園内にはまだまだたくさんの作品が展示されているので、会期中にぜひ、アートと春を感じに白鳥庭園へ訪れてみてくださいね。

 

【白鳥庭園】
住所  :〒456-0036 愛知県名古屋市熱田区熱田西町2-2-5  MAP
営業時間:9:00~17:00)(入園:16時30分まで)
休園日 :毎週月曜日(ただし月曜日が休日にあたる場合は直後の休日でない日)年末年始(12月29日~1月3日)
入園料 :300円
http://www.shirotori-garden.jp/index.html

 

 


<展覧会情報>
展覧会名:「異界庭園」
会期: 2019 年 3/23(土)〜3/31(日)
会場時間:9:00〜17:00(入園 16:30 まで・月曜休)
会場: 名古屋市熱田区熱田西町 2-5 白鳥庭園
主催: 異界庭園実行委員会・白鳥庭園
後援: 愛知県立芸術大学、名古屋芸術大学、名古屋造形大学、
協賛: COUPGUT、AIN SOPH DISPATCH、織部亭、L gallery、地域人文化学研究所 粋陽堂、(有)にこにこ造園、PechakuchaNight Nagoya
入場料: 大人\300(中学生以下無料)
名古屋市在住65歳以上(要敬老手帳等)100円
WEB: https://www.goennale.com/